一番苦しいのは今だ
一年間、この学校で過ごしてきた

なんとなく聞き覚えがあった『医療従事者』
「進路は?将来は」問われ続けた中学・高校
「わからない」というと微妙な反応が返ってくる
そんな中途半端な状態が嫌だ
「医療従事者になりたい」一回言ってしまったのが運のツキ
それからはオウム返しのように進路を問われたときは「医療従事者」と答えた
別に嫌な感じはしなかった
でも、星の数ほどあるほかの仕事をみようとしなかった
私が今まで見た医療従事者は完璧だ
自分で論理だてて説明をすることができて、手技もしっかりしている
本当に『先生』というのにふさわしい人達だった
今、医療従事者になろうとしているこのクラスの人たちもそうだ
みな頭がきれる。一回やったことも消化している
自分の知識として蓄えていて、尊敬してしまう人も多い

私は違う。何をやってもトロイ・・・幼稚園のときからそうだった
逆上がりでも竹馬でも図工でも、なにをしてもいつも最後
しかも納得するまでやめないか、
できないと直感したら絶対に手をつけなかった。なんとかして逃げようとする
そんな私。強がれば強がるほど先生方は私を嫌な顔をしてみていた
何にもできないくせに自己主張の強い子だった
いじめもあったし・・・・
いじめにあわないようにみんな気を使っての小学校生活
本当に漫画に女子社員のような感じ
陰口やシカトは当たり前、相手を持ち上げたり、やせ我慢していたり
傍からみていてうんざりだった
そんなのに私が付いていけるわけがない
別に一人でも大丈夫な子だった
人と話すのは面倒くさい・・・小学校のとき学んだことだ

中学はうって変わって楽しかった!仲良しグループで入った卓球部
個人プレーなのに団体っていうのが良かった
友達付き合いもカラっとしていて、先生たちもアットホームだった
全員参加型の授業・・・いつでも扉が開かれていてなぜ?が多い私を
優しく受け入れてくれた
絶対泣かないはずだった卒業式
隣には、ハンカチを3枚も準備してきた感激屋の女の子
優等生ではなくみんなに好かれていた友達が答辞をした
形式的にではなく、彼らが考えた言葉
泣きながら読めなくなってしまう女の子に
マイク越しに聞こえる「大丈夫?頑張れ!」という男の子の声
校長先生も感動して、みんなでワンワン泣いた

高校生になって、環境が一変した
全てが自由な生活
中学時代に積み重ねてきた「家庭学習ノート」
毎週提出のこのノート
先生との交換日記みたいで楽しかった
でも、なんにもかいていないのに提出するのは恥ずかしいから
毎日すこしづつ勉強した
それが、一気に崩れた
授業中も寝ているか、漫画を読んでいるか
全てが面倒に思えて、テストでさえも10点や30点でも平気だった
気の合う友達もなかなかできなくて、昼休みになると疲れて部室で
寝転びながら山積みになっている漫画を読み漁った
ここからはもう何をしようと個人の自由だと思った
みなもそういう風に認識していたのだろう
勉強する人はするし、そうでない人はそうでない人
その人がそれでよいのならそれが一番いい!
私も気分が赴くままに友達と話したり、勉強したり
寝たり、漫画を読んだりとにかく自由で好き勝手にやっていた

そのまま専門学校に来た
自由を謳歌していた私は、全く付いていけなかった
全てがグループ。授業は全員前を向いて、寝てもいけない
出会った人には挨拶を・・・みんなで仲良くしましょう
誰かと一緒にいること、待つこと、話すこと、思いやること
一時間半の授業を集中すること、よそみはしないこと、寝ないこと
すべて高校時代に抜けてしまった
中学時代に逆戻りしなければならない
あんなに快適だった生活、染み付いてしまった癖
さらになんでこんなに枠組みにとらわれなければならないのかという
戸惑いや反発

今までは自分しか世界にいなかったから自分は普通だと思っていた
みなは私を変わっているという
でも私は、私なの・・・消えない本能
でも私にだって一般常識という理性はある
誰からも注目をあびることない普通の人になりたい・・・願い
2つの想いが矛盾している
それが爆発しているのが今だ
とにかく一年間必死で過ごして、ハタっと振り返ったとき変わりすぎている自分に気がついた
「私はなぁんにもできない・・・流されるだけ、笑われるだけ」
授業はおろか勉強もままならなかったから当たり前だった
今まで
「私は私、私が全てを決める。私が私らしくいられるように」
自分が自分であるための執着が強かった
そうでなかったら私じゃないような気がした
そのために自分が居心地のよい環境を選び、動いて過ごしてきた
環境が固定された・・・私がその中でどう生きるか
クラスに迷惑をかけないように、友達に嫌な思いをさせないように、試験で赤点をとらないように。『頑張れ!』この一言に尽きる一年だった
そのなかで私が身につけたことは「私、できなぁい、ダメだから」ということだった。流されること、自分を否定すること、我慢すること
人にとって当たり前のことができない苦痛もあった
もちろん楽しいこともあったにし、人といてよかったと思ったこともいっぱいある
でも、そのために抑えた感情。私の本能
一年がたって噴火してきた、もうオサエラレナカッタんだ
ご飯が食べられなくなった。
爪をいじる。
机をカリカリ掻く様になった。
周りから見たら、さぞかし奇怪だろう・・・・でもやめられない
まるで「私だぞ!みなとちがう、私を認めて」と叫んでいるようだ
これからどうなる?こんな私を誰か認めてくれるのだろうか
そんな人を私は待っている?
貴女は貴女だよって言ってくれる人・・・受け入れてくれる人
まず、私が認めないといけない
拒食を抜け出さなければ・・・矛盾はいつ解き放たれるのだろうか

コメント

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索